大好きな旦那様が見えなくなってから、本当の夫婦になるまで
第6話 頼もしい親友
昨今乙女ゲームにも様々なものがある。
ミステリーだったり、アクションRPGメインだったり、箱庭育成系とあるが、このゲームはその中でも《DEMISE OF FLOWERS》は評価が割れるものの大人気ゲームだった。
大人気なのになぜ評価が別れるか。それは全キャラクター生存確率が一桁というホラーゲームよりも真っ青な鬱、あるいは残酷なシナリオ展開が待っているからだ。
ヒロイン補正?
そんなものはないし、選択肢一つ間違えるだけで死亡となる。攻略キャラの好感度、ヒロインの戦闘レベルも低ければ、シナリオ序盤でも死ぬ。
しかも悲劇的な死に方が多い。
結ばれた瞬間に事故に巻き込まれて死亡。
両思い確定となった瞬間、魔力回路が暴走して結果的に心中。モブ異性と話していただけで「裏切られた」といって曲解して殺しにくるヤンデレ恋人などなど。ヤンデレ率が高い上に、登場人物全員死ぬという胸クソ展開もある。
私としては愛し合っているのに、敵対するヒロインとラスボス役のローマン教頭との心中シーンは泣いた。スチルの出来栄え、流れるBGMともに素晴らしかった、本当に。
死亡率97パーセントの超難易度鬱ゲーとまで呼ばれている。そんな世界に私たちは転生してしまった。
ヒロインのアイリスと、悪役令嬢のベアトリーチェは私と同じ転生者だ。
ヒロイン、悪役令嬢、モブ令嬢、この三人が手を組み結束したからこそメインキャラを含め、奇跡に近い形で真実の終わりを迎えることができたのだ。私たち三人が手を取り合えたのは、それぞれ好いていた相手が違っていたことだった。
ヒロインはルートによってラスボス役になる隠れキャラ、ローマン教頭と心中を回避して結ばれたし、悪役令嬢のベアトリーチェは元々婚約者のアルバートと婚約破棄を回避して恋愛結婚。
私は氷の公爵ベルナルド様に猛アタックの末、婚約者から結婚へと至ったのだ。
大団円と称さないのは、ゲーム上でハッピーエンドであっても、その過程で攻略キャラやベルナルド様などの誰かしらが死ぬからだ。全員で生き残ったからこそ真の終わりという意味で、真実の終わりだとベアトとアイリスとよく語っていた。
私の大切な親友であり、同じ異世界転移者。二人がいたからこそベルナルド様と一緒になることができた、恩人でもある。