大好きな旦那様が見えなくなってから、本当の夫婦になるまで
「王家とベルナルドへの復讐ですよ。あの男が裏社会のボス、《王家の犬》というのは知っているのですか?」
「ええ……」
「ああ、やっぱり知っていたのですね。ですがあの男は君だけに知られないようで、ずっと隠していたようですよ。滑稽なほど隠蔽して君に心配かけまいとして、結果がこれだとは、ね」
「それは……どういう」
ふと私の中である記憶が蘇る。それは学院時代、ベルナルド様を探していた時にルディー様に声をかけられた時のものだ。
『君の中に《魔法の種子》はないかもしれない。でも、もし疑似的な種子を取り込めば彼の役に立つかもしれないけど、やってみるかい?』
断片的な記憶。
何故今まで忘れていたのだろう。
いやそもそもどうして違和感を持たなかったのか。あの言葉は学院時代のものじゃない。
全て作られた記憶で、私は召喚されたこの屋敷で《疑似種子》を受け入れた。
そして魔力吸収ができるまでこの屋敷でルディー様と暮らして、副作用で体が辛かったけれど、ベルナルド様に会いたかったから耐えた。
(そうだ。私はここで一年暮らしてから、魔法学院に入学した……)