大好きな旦那様が見えなくなってから、本当の夫婦になるまで

「すでに君の中にある《世界樹の種》は、芽吹いて成長という名の暴走を始めた。もう君の制御下にない。君が死ぬまで魔力を持つ全てのものから魔力吸収(マジック・ドレイン)を繰り返す。こんな風に、ね」

 そう言ってルディー様は、自身が崩れていく体をうっとりとしながら眺めている。痛覚が感じられないのか彼は崩れていくことが本望だという感じで、それはディフラのルディールートにもない結末だった。ルディー様は、もう片方の手で私の頬を撫でる。

「ああ、貴女に殺されるというのも案外悪くない」
「──っ、《ベル・モナムール》! お願い止まって!」

 必死で魔力吸収(マジック・ドレイン)を止めようとするが、私の言葉に《疑似種子》は一切反応せずに、ルディー様から根こそぎ魔力を奪っていく。

「どうして……!」
「《世界樹の種》は確かに魔力吸収(マジック・ドレイン)を発動するための核でもあったけれど、その種を開花させるのは、君の負の感情の蓄積によるものだ。怒り、憎しみ、悲しみ、苦しみ、そういったものを餌として与え、一定量を超えると発芽するように改良しておいたのさ。花女神が人を憎み悲しみ、絶望したように──芽吹いたことで、さらなる精神負荷を与えて不安と悲しみを増長させた結果、()()()()()()()()()()()()()()()()()
「──なっ」
< 39 / 59 >

この作品をシェア

pagetop