大好きな旦那様が見えなくなってから、本当の夫婦になるまで
この時間軸では先送りにして逃げてばかりだったけれど、今度は逃げない。そう決意したのだが、シャルには違って聞こえたのだろうか。
「──………をユルサナイ」
ポツリと零した言葉が、ナイフのように胸に突き刺さる。
許されるなどと、思ってはいない。
当然だ。
不用意に「大丈夫」と言ったことを恥じた。死に戻りの話を何もしていない中で、この言葉はあまりにも楽観的で、シャルの怒りに触れるには充分だっただろう。
弁明しようとするが、思いのほか口が回らない。ああ、本当に俺は──ダメな奴だ。
「今度はちゃんと、お前の思いに応えてみせる。だから──、どうか、待っていてくれ(時戻しでやり直せるなんて、都合のいいことだと分かっている。でも、それでも、シャルを……手放したくない)」
「……を……愛さなければ……よかった……」
「──っ、シャル」
シャルは、俺に失望したのだろう。死ぬまで待っていてと、解釈されてもしょうが無い。ああ、本当に俺は彼女に対して、どうして言葉を尽くしてこなかったのだろう。
「失望され、軽蔑されたとしても、もう一度だけシャルを愛するチャンスを俺にくれないか」
言葉は無かった。もし時を戻してシャルの記憶が残っていたら──諦めるべきなのだろうか。
諦めきれるのか?