推しの在る生活
彼と二人だけで話すようになって何度目のことだっただろう
わたしは少し前から思っていたある考えを彼に提案してみた
わたしのところへ居候して執筆活動に専念してみないかといった内容の話しを
それなりの年齢の男女が寝食を共にすることへの提案は勇気が必要な行為ではあったがわたしに迷いはなかった
純粋に彼の作品に惹かれていたわたしにはそうするのが一番ベストだと信じていたからだ
彼はわたしの彼への評価をとても喜んでくれてはいたが居候の件については返事を濁した
年上の女性から居候 つまり同棲を申し出られたみたいなものだから返事に窮するのも理解できる
わたしは『考えてみてね』と伝えるにとどまり返事を急ぐことはしなかった
ただ、彼が創作活動に勤しみたいならきっとわたしにとって良い返事がくるであろうと内心確信していた…