私の婚約者は隠れSP!? 〜毎日が甘くて溶けそうです〜



 「考え事なら、僕にも話してほしい。君が一人で抱え込むのは、嫌だから」


 その言葉に、目頭が熱くなる。私は慌てて視線を逸らし、庭園の花に目をやる。色とりどりの花が、夕暮れの光の中で静かに揺れている。まるで、私の心を映し出すように、揺れながらも美しく咲いていた。

 夕食後のリビングは、いつものように温かな光に包まれていた。大きなソファに腰かけた悠真は、私をそっと引き寄せ、膝の上に座らせた。突然のことに、思わず声が漏れる。


 「えっ……?」


 驚いた私の声に、彼は軽く微笑むだけだった。


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