私の婚約者は隠れSP!? 〜毎日が甘くて溶けそうです〜
夜になり、寝室に案内された。部屋は広く、ベッドはふかふかで、柔らかな光がランプからこぼれている。悠真はさりげなくブランケットを整え、枕元にそっと置いた。その動作一つ一つが丁寧で、まるで私の存在を大切にしているかのようだった。
「寒くありませんか?」
彼の声は、まるで夜の静けさに溶け込むように優しかった。私は首を振る。
「はい、大丈夫です……」
それでも、彼は一歩だけ近づき、私の肩にそっと手を置いた。その感触に、胸がまたドキリと高鳴る。
「寝る前に少し話しましょうか。今日一日のことを」
彼の提案に、私は思わず頷いていた。ベッドの端に腰掛け、彼と向き合う。
部屋には静かな空気が流れ、遠くで時計の針がカチカチと動く音だけが聞こえる。彼は今日の出来事を穏やかに語り始めた。屋敷のこと、庭園のこと、そして私の到着をどれほど楽しみにしていたか――。
「遥さんが来る前、実は少し緊張していたんです」
彼の言葉に、私は目を丸くした。悠真さんが、緊張? あの落ち着いた彼が? 信じられない思いで彼を見つめると、彼は少し照れたように笑った。
「君がどんな人か、想像していただけに。こうやって話せて、安心しました」
その言葉に、心が温かくなる。彼もまた、私と同じようにこの出会いをどこかで意識していたのだと思うと、胸の奥がくすぐったいような、嬉しいような気持ちでいっぱいになった。
「私も……緊張してました。でも、悠真さんが優しくしてくれて、ほっとしました」
正直な気持ちを口にすると、彼の目が一瞬だけ輝いた気がした。