愛妾を抱く冷徹皇太子に嫁ぎましたが、逆転して唯一の妃になりました
「ラファエル……あなたの熱が……」

震える声で名を呼ぶと、彼は低く囁いた。

「俺を感じろ……」

その言葉どおり、熱が体の奥を貫くたびに、快感が全身を駆け抜けていく。

こんなにも甘美な行為が世の中にあったなんて――私は知らなかった。

「イリス……気持ちいい……」

耳元で洩れる声に、胸の奥が痺れる。

「私も……もう、ダメっ……!」

繰り返される深い突き上げに、理性も息もすべて奪われていく。

奥まで届くたびに、波が押し寄せては私を飲み込んだ。

「ああ……ああ、ラファエル……!」

叫ぶように名を呼ぶと、彼の瞳が熱を帯びる。

「イリス……受け取れっ!」

次の瞬間、彼の熱が迸り、深く注ぎ込まれた。

「ああんっ!」

体が大きく跳ね、痙攣のように震える。

押し寄せる余韻の中、私はただ彼にしがみつくしかなかった。

――義務の初夜のはずなのに。どうしてこんなにも、心が満たされてしまうのだろう。
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