推しのマネージャー(※ほんとは護衛)になりました。 ~アイドルたちの溺愛がとまりません!~
「紗南ちゃん!」
ステージ裏にはけてきた星穏さんにスポドリを手渡そうとすれば、その前に、星穏さんに抱きつかれた。
……って、抱きつかれてる!? え、これってどういう状況……!?
アワアワしていたら、勢いよく顔を上げた星穏さんが、真剣な目をして顔を近づけてくる。
「……紗南ちゃんは、いつでも優しいよな。おれ、勘違いしてしまいそうや」
まるで、愛の言葉を囁く時のような、甘くしびれるような声。
突然の展開に目を白黒させて固まっていれば、次は有栖さんがやってきた。
「でもさぁ、紗南ちゃんは、何だかんだで、おれが一番って思ってくれてるんじゃない?」
有栖さんは、目を細めて二ッと笑ったかと思えば、わたしの頬をするりと撫でてくる。
「頑張り屋さんの紗南ちゃんには、おれがチューしてあげよっか」
「な、なっ……」
連続での破壊力がすごすぎて固まっていれば、今度はやってきた潤さんに、片手をつかまれた。
そのまま手の甲に、チュッとリップ音を立ててキスされる。
「紗南ちゃんは、俺を推してくれるよね? そしたら世界一、愛してあげるよ」
膝をついた状態で、上目遣いに見つめられる。
ドキドキしっ放しの心臓が、そろそろ限界を迎えそうになっていたところで。
「――紗南」
最後にやってきたのは、悠月だ。