推しのマネージャー(※ほんとは護衛)になりました。 ~アイドルたちの溺愛がとまりません!~
ちなみに“セイレーン”っていうのは、ギリシャ神話に登場する怪物のことなんだ。
その姿は、体の半身が鳥だともいわれているし、魚であるともいわれているの。
海に住んでいるセイレーンは、自身の美しい歌声で人を惑わして、海に引きずりこんだり、人の肉を食べたりしていたんだって。
そんなセイレーンの身体の一部が、何百年も前に、この学園の敷地に埋められていたらしいんだ。
それが呪いとなっているみたい。
「なぁ、紗南」
「どうしたの、悠月」
「もしかしてさ……アイツらが原因なんじゃねーの?」
悠月は、誰もいなくなったステージ上を見つめながら話す。
「セイレーンの呪いが発動するようになったのは、ちょうど昨年からなんだろ? で、アイツらは今二年生らしいから、時期的にはアイツらが入学してからってことになる」
悠月のその言葉に、わたしもハッとしちゃった。
「もしかして……meteor(メテオ)の歌声に、セイレーンの呪いが呼び覚まされたってこと?」
確かに、歌姫ともいわれているセイレーンなら、星穏さんたちの綺麗な歌声に反応したとしても、おかしくはないよね。
さっきの男子たちも、meteor(メテオ)のライブがある時に、よく目撃情報があるとか言ってたし……。
「……よし。一緒にもっとくわしく調べてみよ!」
「だな」
悠月と目を合わせてうなずきながら、わたしたちも校舎に向かって歩き始めた。
まずは教務室に行かないとね。