反抗期の七瀬くんに溺愛される方法
 放課後。
 駅前のカフェで、凛と向かい合ってメロンソーダのストローをくるくる回す。
 炭酸の泡が弾ける音が、胸のざわめきと重なった。

「ねぇ凛、やっぱり……なつくん、私のこと避けてるよね?」

 言葉にした瞬間、胸の奥がぎゅっと痛んだ。
 朝の「おはよう」はちゃんと返してくれたのに、昼にはもう目も合わせてくれない。
 理由なんて、まったくわからない。

「うーん……そうだね。ちょっと、よそよそしいかも」
 凛はストローをくわえたまま、じっと私を見つめる。
「でもさ、小春。夏樹くんって、何もなくて避ける人じゃないと思うよ」

「……え?」

「昔からそうじゃん。ぶっきらぼうだけど、小春のこと、誰より大事にしてたでしょ?」

 その言葉に、胸がチクリとした。
 ――たしかに、そうだった。
 困ってる時は必ず助けてくれたし、陰で支えてくれてた。
 でも今は、その“優しさ”がどこにも見えない。
 まるでわざと私を避けているみたいに…

 どうして?

 小さく息を吐いて、テーブルの上のグラスに視線を落とす。
 氷が溶けて、メロンソーダの色が少し薄くなっていた。

(踏み込んだら、もう戻れなくなるかもしれない……)
 それでも、聞かなきゃいけない気がする。
 だって――このまま何も言えないままじゃ、前に進めない。
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