【完結】毎日「おはようのキス」をしないと発情する呪いにかけられた騎士団長を助けたい私
第一章
1.
大陸の中央に位置するキサレータ帝国。数百年前、大陸に散らばる大小さまざまな国々をその統治下に置いた強大な帝国だった。かつては二十を超える属国を支配していたが、時の流れとともにその求心力は衰え、今ではほとんどの国が独立を果たしている。
それでも、キサレータ帝国は大陸最大の面積と人口を誇る国であり、いまだに独立できない小国は帝国の配下に留まっていた。
しかし、皇帝アルヴィスは焦りを隠せない。このままでは帝国の力はさらに衰え、近隣諸国に呑み込まれる日も遠くないだろう。そのためアルヴィスは、魔法によって帝国内を完全に支配し、その力を大陸全土に広げることを考える。
魔法とは、魔力と呼ばれる特別な力によって引き起こされる現象だ。しかし魔力は誰でも備えているわけではないため、魔法は希少なもので、その価値は計り知れない。
キサレータ帝国でも、魔力を持つ者は限られ、特別な存在として重宝されていた。
「陛下。それ以上、魔法具の力を用いるのは危険です」
玉座の前に膝をつく深緑の髪の女性は、大理石の床に視線を落とし、震えながらもそう訴えた。
「うるさい。黙れ、リネット。魔法はおまえだけのものでなはない。これさえあれば、私だって魔法が使える……」
アルヴィスは怒鳴り、左手の指輪を握りしめた。次の瞬間、指輪が赤く光り、彼の手のひらの上にぼっと炎の玉が生まれた。それを迷わず、リネットに向かって投げつける。
リネットは顔を上げない。
それでも、キサレータ帝国は大陸最大の面積と人口を誇る国であり、いまだに独立できない小国は帝国の配下に留まっていた。
しかし、皇帝アルヴィスは焦りを隠せない。このままでは帝国の力はさらに衰え、近隣諸国に呑み込まれる日も遠くないだろう。そのためアルヴィスは、魔法によって帝国内を完全に支配し、その力を大陸全土に広げることを考える。
魔法とは、魔力と呼ばれる特別な力によって引き起こされる現象だ。しかし魔力は誰でも備えているわけではないため、魔法は希少なもので、その価値は計り知れない。
キサレータ帝国でも、魔力を持つ者は限られ、特別な存在として重宝されていた。
「陛下。それ以上、魔法具の力を用いるのは危険です」
玉座の前に膝をつく深緑の髪の女性は、大理石の床に視線を落とし、震えながらもそう訴えた。
「うるさい。黙れ、リネット。魔法はおまえだけのものでなはない。これさえあれば、私だって魔法が使える……」
アルヴィスは怒鳴り、左手の指輪を握りしめた。次の瞬間、指輪が赤く光り、彼の手のひらの上にぼっと炎の玉が生まれた。それを迷わず、リネットに向かって投げつける。
リネットは顔を上げない。