【完結】毎日「おはようのキス」をしないと発情する呪いにかけられた騎士団長を助けたい私
「へ?」
 いったい彼は何を言っているのかと、リネットは首をひねる。
「今朝、着ていた寝間着だ。あれは布地が薄すぎる!」
 あれはキサレータ帝国から持ってきたものだ。ブリタからも、隠すべきところがきちんと隠れていないと散々言われたが、誰に見せるわけでもないし、「ま、いっか」と思って今日までそのままにしておいた。
 しかしラウルの部屋で寝泊まりするというのであれば、あの寝間着ではやはり駄目なような気がしてきた。
「はぁ……実は、師長からもご指摘を受けておりまして……。でも、別に寝るだけだし、いいかなって思っていました」
 ギロリとラウルが鋭い視線を飛ばす。
「新しいものを準備しておいた。それも籠に入っているから、今日からはそれを着て寝なさい。それから」
 まだあるの? と言いたくなったリネットだが、すんでのところでその言葉を呑み込んだ。
「洗濯メイドからは、その……君の下着が……まぁ、あれだ……」
「あぁ……古くさいとか、そんな感じですか?」
 それもリネットに自覚はあった。しかし、着ることができればいいし、何よりも新しいものを買うために外に出るのが面倒だった。
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