【完結】毎日「おはようのキス」をしないと発情する呪いにかけられた騎士団長を助けたい私
 寝間着の件といい、リネットに対して悩むことが多すぎて、あまりにも悩んでいたら、彼女の無頓着さに怒りがじわじわと込み上げてきた。
 ラウルがやんわりと言ったところで彼女は「疲れました」「面倒くさいです」「動きたくありません」と言い出すに違いない。となれば、必要な物はこちらで準備してしまえばいい。
 と、そこまで考えたのはよかった。問題があるとすれば、ラウルが男性でリネットが女性ということだろう。やはり異性の寝間着や下着を買うのはいかがなものかと、また悩み始める。あまりにも悩んでいたら、ヒースが見かねて声をかけてきた。
「団長。さっきから何を悩んでいるんですか? まぁ、悩んでしまうのもわかりますが……」
 ヒースの視線は、ラウルの股間に向いていた。
「今のところ、そこは問題ない。むしろリネットが問題だ……」
「リネットさんですか? まぁ、団長の恋人という噂が広まっていますね」
 そこでラウルは侍女から言われた内容をヒースにも伝えた。
「へぇ? 意外とずぼら……ではなく、面倒くさがり屋さんなんですね。ほわほわしているイメージはありましたが。あ、もしかしてあれですかね? 物を大事にする人」
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