【完結】毎日「おはようのキス」をしないと発情する呪いにかけられた騎士団長を助けたい私
そのため帝国内では、未成年に閨の相手を求める者はいない。そのふざけたような話が、ただの言い伝えでなく、事実であることを誰もが知っている。
数年前、人買いが商品の少女に手を出して実際に「アレがもげた」事件が大々的に報じられ、言い伝えが本当だと証明されたのだ。
だがリネットも一か月前に成人を迎えてしまった。子を孕むのに問題のない健康体だと診断をくだしたのがファミルである。
「では、今宵はそなたの寝所へ向かうとしよう。楽しみにしておれ。下がってよい」
アルヴィスの声は、ぞっとするほど軽薄だった。
リネットがこの皇城にやってきたのは十四歳のとき。それまでは属国の一つであるスサ小国で暮らしていた。スサ小国は他の国に比べ、魔力を持つ者が多い土地として知られている。リネットもまた魔力を生まれ持っていたが、それが特別なことだとは思っていなかった。
それなのに、当時、二十六歳で皇帝に即位したばかりのアルヴィスが突如スサ小国を訪れ、リネットを連れて帰ったのだ。というのもスサ小国の王族関係者で、年頃の未婚の女性がリネットのみであったから。
他はすでに婚約していたり結婚していたりと、相手が決まっていた。皇帝であれば略奪も可能なのだが、これもまた略奪した相手と閨を共にすれば、「アレがもげる」説があったため。信仰深い彼は、こうした言い伝えを意外と真剣に守る男だった。
数年前、人買いが商品の少女に手を出して実際に「アレがもげた」事件が大々的に報じられ、言い伝えが本当だと証明されたのだ。
だがリネットも一か月前に成人を迎えてしまった。子を孕むのに問題のない健康体だと診断をくだしたのがファミルである。
「では、今宵はそなたの寝所へ向かうとしよう。楽しみにしておれ。下がってよい」
アルヴィスの声は、ぞっとするほど軽薄だった。
リネットがこの皇城にやってきたのは十四歳のとき。それまでは属国の一つであるスサ小国で暮らしていた。スサ小国は他の国に比べ、魔力を持つ者が多い土地として知られている。リネットもまた魔力を生まれ持っていたが、それが特別なことだとは思っていなかった。
それなのに、当時、二十六歳で皇帝に即位したばかりのアルヴィスが突如スサ小国を訪れ、リネットを連れて帰ったのだ。というのもスサ小国の王族関係者で、年頃の未婚の女性がリネットのみであったから。
他はすでに婚約していたり結婚していたりと、相手が決まっていた。皇帝であれば略奪も可能なのだが、これもまた略奪した相手と閨を共にすれば、「アレがもげる」説があったため。信仰深い彼は、こうした言い伝えを意外と真剣に守る男だった。