【完結】毎日「おはようのキス」をしないと発情する呪いにかけられた騎士団長を助けたい私
 リネットはもう少し情報が欲しいと思った。
「なんだ?」
「えぇと、今はどんな状況ですか? むらむらしているが我慢できる感じでしょうか? それとも突っ込みたいという衝動まで?」
「我慢はできる。できるが、なんの拍子に臨戦態勢に入るかがわからない。となれば、穏やかな状態に戻しておきたい」
 ラウルの身体の状態には、大きく三つの状態があると判断した。
 穏やかな状態、ちょっとだけむらむらしている状態、やりたい状態。この三つだ。しかし最後のやりたい状態には、理性の有無でさらに二つに分けられると考えている。
「わかりました。どうやら、朝の『おはようのキス』の効果が薄れてしまったようですね。団長さんが理性を失うことはないと思うのですが、明日の朝、『おはようのキス』をするまでは、今の状態が継続されると思います」
「それは困る」
 そう言ったラウルは自分の股間を見つめる。うまく隠してあるからか、リネットから見たらこんもりしている程度だ。それがラウルにとってどういう状態なのか、もちろんわかるはずがない。
「そうですね。私もデータを取りたいので、ここでキスしましょう。どうせ、誰もおりませんし」
 そこでリネットはすっと席を立った。
< 156 / 339 >

この作品をシェア

pagetop