【完結】毎日「おはようのキス」をしないと発情する呪いにかけられた騎士団長を助けたい私

4.

 ラウルと向かい合って、彼を見上げる。澄んだ空のような彼の目はぎらぎらと燃えているように見える。
 こうやって面と向かってキスをするのは初めてだ。
 一度目は彼の頬にキス、二度目と三度目は寝ぼけているところにしつこいキスをされた。四度目はついばむような軽いキスだった。
 ラウルが身をかがめ、リネットの両肩に手を添えたとたん、緊張が高まっていく。
 彼の顔が近づいてきて、リネットは思わず目を閉じる。
 少しだけかさついた唇が触れた。そのままラウルは力強く押しつけてくる。
「……んっ」
 彼のキスがしつこいのはわかっていたが、こうやって頭が冴えているときにしつこいキスをされるのは初めてだ。しかも今は立っている状態。
 ラウルの力に負けてよろけそうになると、すかさず背に手が回ってきた。倒れないようにと、彼がリネットの身体を支えている。
 それでキスが終わるかと思ったのに、まだ唇はくっついたままだった。がっちりと抱きしめられたらそれから逃れられない。
「ん……んっ」
 必死に喉の奥から声を出して抵抗してみせるが、ラウルのしつこいキスは終わらない。唇を食まれたうえに、舐められる。
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