【完結】毎日「おはようのキス」をしないと発情する呪いにかけられた騎士団長を助けたい私
 ラウルはリネットを抱き上げた。さすがにこのソファで二人で寝るわけにはいかない。それに、彼女を一人にするのも不安だった。
 次の日、ソファで寝たはずなのにベッドで寝ていた事実に驚く表情もかわいらしかった。
 そんな数日前のことを思い出しながら、ラウルはリネットの寝顔を見つめていた。
 寝息に合わせて頬にかかる髪がふわふわと浮いている。部屋の窓から差し込む朝の光が室内を明るくし、彼女の髪を淡く輝かせる。
(か、かわいい……)
 最近、特にそう感じるようになった。起きているときとのギャップがあるからなのか。とにかく、寝ている彼女は愛らしい。
 ドクンと心臓が大きく震えた。
 昨日、キスをしてからそろそろ丸一日経とうとしている。「おはようのキス」をしてから丸一日は穏やかな状態か、もしくはむらむらしても我慢できる状態が続く。それが次第に我慢できない情欲へと変化するのだ。
「リネット。起きてくれ……そろそろ時間だ……」
 ドクンドクンと、心臓がうるさいくらいに音を立てていた。
「んっ……」
 長いまつげがぴくぴくと震える。ぼんやりとした茶色の目はどこを見ているのかわからない。その目がラウルの姿を捉えると、彼女は「おはようございます」とはっきりとしない口調で言う。
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