【完結】毎日「おはようのキス」をしないと発情する呪いにかけられた騎士団長を助けたい私
 どうと聞かれても、変な呪いにかかってしまったかわいそうな人。そして事細かにリネットの世話を焼くウザい男。だけど、リネットを何かと気にかけてくれ、不自由ないようにと動いてくれる。それをウザいと言うのかもしれないが、リネットはそのウザさが嫌ではない。むしろ、最近では心がくすぐったくなるくらい、嬉しかったりもする。
 それをどのようにシーナに伝えたらいいのかわからず、言葉が出てこなかった。
「あ~う~」
「わかりました」
 変な声を出すリネットに苦笑したシーナは、ずばっと尋ねた。
「ラウルさんのことが好きなんですよね?」
 そう言われると、リネットにはよくわからない。彼の呪いの症状を緩和させるために側にいるだけだから。
 リネットが答えられずにいると、シーナがさらに言葉を続ける。
「でも、二人はまだ付き合い始めたばかりですから。ラウルさんはそういうことを時間をかけてというか、もう少し心を重ねてから愛し合いたいと思ったのではないでしょうか?」
「心を重ねる? 愛し合う?」
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