【完結】毎日「おはようのキス」をしないと発情する呪いにかけられた騎士団長を助けたい私
すぐに手巾を取り出したラウルは、リネットの目元と頬にそれを押し当てるようにして涙を吸い取った。その手つきは不器用ながらも、慈愛に満ちている。
「ごめんなさい。私、ちょっとおかしいです。勝手に涙が出てきました。でも、団長さんに言われたこと、嬉しかったんです」
また、じわっと涙があふれてきたが、すぐにラウルが手巾で拭う。彼の指先が頬に触れるたびに、リネットの心は少しずつ彼に傾いていく。
ラウルになら、過去のことを言っても大丈夫だろうか。そんな気持ちが生まれてきた。
「団長さん……私、スサの出身なんですけど、ここに来る前はキサレータにいたんです」
突然、身の上話を始めたリネットに、ラウルは「ん?」と片眉を上げた。
「そのキサレータを追い出されたから、セーナス王国に行こうと思いました。でも、途中で行き倒れ、エドガー先輩に拾ってもらったんですけど」
ラウルは何も言わず、黙って聞いている。
「キサレータで、私……皇帝の側妃の一人だったんです……」
ぴくっとラウルのこめかみが動いた。
「ごめんなさい。私、ちょっとおかしいです。勝手に涙が出てきました。でも、団長さんに言われたこと、嬉しかったんです」
また、じわっと涙があふれてきたが、すぐにラウルが手巾で拭う。彼の指先が頬に触れるたびに、リネットの心は少しずつ彼に傾いていく。
ラウルになら、過去のことを言っても大丈夫だろうか。そんな気持ちが生まれてきた。
「団長さん……私、スサの出身なんですけど、ここに来る前はキサレータにいたんです」
突然、身の上話を始めたリネットに、ラウルは「ん?」と片眉を上げた。
「そのキサレータを追い出されたから、セーナス王国に行こうと思いました。でも、途中で行き倒れ、エドガー先輩に拾ってもらったんですけど」
ラウルは何も言わず、黙って聞いている。
「キサレータで、私……皇帝の側妃の一人だったんです……」
ぴくっとラウルのこめかみが動いた。