【完結】毎日「おはようのキス」をしないと発情する呪いにかけられた騎士団長を助けたい私
「しかも一番年下だったから、何かあればすぐに呼び出されて……。抵抗すれば、おまえは黙って身体を差し出していればいいって……嫌がるようならスサにいる家族をって……」
 声が震えた。心臓もドクドクと激しくなり、呼吸も浅くなる。過去の記憶がよみがえり、リネットの身体は硬直する。
「わかった。もう、何も言わなくていい」
 リネットの異変に気がついたラウルがやわらかく声をかけてくるが、ぶんぶんと勢いよく頭を横に振った。
「団長さんには、全部知ってもらいたいんです」
 そこでラウルがリネットを力強く抱きしめる。小柄なリネットの身体は、すっぽりとラウルによって覆われた。リネットの心は初めて安全な場所を見つけたような安心感に包まれる。
「あぁ……だが、俺は君にそんな辛そうな顔をさせたくないんだ。今はまだ、君の体調も落ち着いていないのだろう?」
 ラウルはぽんぽんとリネットの背をやさしく叩く。リネットは彼の胸に顔を寄せる。知らず知らずのうちに、さらに涙がこぼれていた。
「もう少し寝なさい。眠れないようなら、子守歌でも歌ってやろうか?」
 その言葉にリネットがぷっと噴き出すと、涙も止まってしまった。
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