【完結】毎日「おはようのキス」をしないと発情する呪いにかけられた騎士団長を助けたい私
「あの……先ほど言った話の続きを……と思ったのですが……」
 突然、このようなことを言い出したら、ラウルも困るだろうか。
「……わかった。だが、飲み物を準備してもいいか?」
「はい」
 いつの間にか空になっていたグラスを手にし、ラウルは一度席を立つ。
 次に戻ってきたときには、グラス二つと葡萄酒のボトルが銀トレイに載せられていた。
 ラウルが酒を飲むのは、今日が初めてではない。彼は寝る前、くつろぐ時間に少しだけお酒を嗜む。飲む量もグラス一、二杯だから、べろんべろんに酔った姿を見たことはない。
「リネットも飲むか?」
 見た目は幼いかもしれないが、リネットだって成人しているため、お酒を飲んでもなんら問題はない。ただ今まで、飲みたいとは思わなかっただけで。
 それもアルヴィスのせいだ。
 だけど隣にいるのがラウルなら、飲んでみてもいいかなと思ってしまう。
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