【完結】毎日「おはようのキス」をしないと発情する呪いにかけられた騎士団長を助けたい私
「俺が世話を焼きたいのは、リネットだけだな。君は目を離すとどこかにいなくなってしまいそうで怖い。それに、君がいなくなった俺も生きていけない」
「それは、呪いのせいですよね。呪いがかかっているから……」
 う~ん、とラウルも唸る。
「まぁ。その呪いのせいで君が俺の運命を握っているというのもあるが。まぁ、あれだ」
 耳を赤くするラウルは、右手の人差し指でぽりぽりと頬をかいた。
「あの呪いで苦しんでいたとき、君に解呪方法がないと言われ、絶望に堕とされた。だが、すぐに症状を緩和する方法があると聞いて希望が持てた。それが毎朝キスをすることだとわかり……。だから俺は、相手に君を選んだ」
「あの場だから、仕方なく私を選んだのではなく?」
「あの場だから都合がよかったんだろうな」
 ラウルはグラスに手を伸ばして、二口ほど葡萄酒を飲んだ。ゴクリゴクリと喉が上下する。
「君が言ったように、プロを頼る方法もあっただろう。だが、信頼できる相手かと問われれば、それはわからない。向こうだって、俺がキスをしないと生きていけない身体だと知ったら、金額をつりあげてくるかもしれないだろ?」
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