【完結】毎日「おはようのキス」をしないと発情する呪いにかけられた騎士団長を助けたい私
 なるほど、とリネットは心の中で手を打った。商売人だからこそ、中には金に釣られてラウルの命を弄ぶ者も出てくるかもしれない。
 ふざけたように見える呪いだが、症状緩和の相手に求められるのは信頼なのだ。
「選択肢が選択肢になっていないあの場でよかった。だから俺は堂々と君を指名できたわけだ」
「消去法からいってもそれが無難です」
「でも俺は、毎朝キスをするならリネット、君が良いと思った。俺だって独身の健全たる男だ。かわいい女の子とキスができるなら嬉しい」
 なんとも正直な男だ。毎朝女性とキスをするのが嬉しいらしい。だがその前の「かわいい女の子」というくだりが、リネットには気になった。
「かわいい女の子ですか?」
「あぁ。リネットはかわいい。特に寝顔がかわいいな」
「ちょっと、そういうことを言わないでください」
 リネットをかわいいと言っていたのは、スサ小国の家族くらいだ。あそこを離れてからは言われたことがない。
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