【完結】毎日「おはようのキス」をしないと発情する呪いにかけられた騎士団長を助けたい私
 アルヴィスにいたっては、容姿をけなすことがあっても褒めることは一度もなかった。ただリネットが初々しく嫌がり、苦痛にゆがめる表情を見て喜んでいただけ。
「リネットが正直に気持ちを伝えてくれたから、俺も正直に話す。そうでなければフェアではない」
 そういうところがラウルらしい。
「だから俺は、かわいい女の子とラッキーだと思っていたのに、君の実態はひどかった」
「ひどいってひどいです。まぁ、団長さんとお会いしたときは、ひどい生活でしたけど」
 それはリネットにだって自覚はある。
「そうだな。だからあのまま君を放っておけば、いずれ身体を壊すだろうと思って、君を引き取った」
「私を捨て猫かなかと勘違いしてませんか?」
「猫のようにかわいいと思うときもあるが、リネットはリネットだな。とにかく、目が離せない。だから俺がこうやって世話を焼くのは君だけだ」
 ラウルはまた、リネットにナッツを食べさせる。それによって少しだけ咽せたリネットが葡萄酒で潤そうとすれば、すかさずラウルがグラスを手にしてリネットの口元に近づける。
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