【完結】毎日「おはようのキス」をしないと発情する呪いにかけられた騎士団長を助けたい私
「最後の多分が余計だが……だったら、何も問題はないだろう。俺の呪いが解けても、俺たちは恋人同士だから一緒にいられる」
「それは、呪いを解くための設定ではなく?」
「だから、それを本当にしてしまえばいいだろう」
 そのままラウルが唇を重ねてきた。
 これはラウル得意のしつこいキスだ。すぐにリネットの唇を食み、こじ開け、舌を絡めてくる。
 葡萄酒の味が、口の中いっぱいに広がる。
 まるで食べられるのではないかと思えるくらいの激しい口づけ。いつもの「おはようのキス」よりもさらに濃厚だった。
 唇を重ね、二人の熱が高まり、いっそうお酒の匂いが濃くなった。
 息苦しくなったリネットは、いつものようにラウルの胸をぽかぽかと叩く。キスをやめろの合図である。
 ちゅっと最後に吸い付いて、ラウルは唇を解放した。
「だ、団長さんのキスは相変わらずしつこいです」
 リネットは唾液で濡れた唇を手の甲でぬぐう。それに、先ほどから臀部に感じる硬いもの。リネットがお尻をずらせば、ラウルからは「うっ」と苦しそうな声が出た。
「なんで、団長さんのアレが元気になってるんですか! キスが効いてない?」
< 209 / 339 >

この作品をシェア

pagetop