【完結】毎日「おはようのキス」をしないと発情する呪いにかけられた騎士団長を助けたい私
「やはり、君の唇はやわらかい」
 ラウルは吐息とともにそうささやき、唇を柔らかく食んだ。そのまま唇の形をなぞるかのように、舌を這わせてくる。
 組み敷かれたリネットの身体が、ひくっと跳ねた。
 キスの間、ラウルの手はリネットの頬を包み込む。まるで捕らえた獲物を逃がさないようにしっかりと。
「おはようのキス」よりも強い疼きが、背中にびりびりと走る。
 それでもラウルはリネットの唇を解放しない。
 今までされたことのない激しい口づけに翻弄されているリネットは、ネグリジェの胸と腰のリボンを解かれたことなどに気づかない。
 すっとラウルが顔を引いたときには、リネットの素肌が外気に晒されていた。さらにラウルは器用に脱がせ、ネグリジェが一枚のシーツのように広がる。彼にとって、リネットの服を脱がすことなどお手の物。
「団長、さん……って、なんで?」
 リネットは慌てて胸元を両手で隠す。
「リネット。俺の名前はわかるか……?」
 なぜ、突然そのようなことを尋ねてくるのか。
「知ってますよ、ラウル・ハリー」
「だったら、いつまでも俺を団長と呼ぶのはやめろ。俺は第七騎士団の団長だ。となれば、他にも六人の団長がいる」
 少し怒ったように言い放ったラウルは、そのままリネットの手をとった。親指をぱくっと咥える。そのまま彼は宣言したように、リネットの身体を愛し尽くした。
< 216 / 339 >

この作品をシェア

pagetop