【完結】毎日「おはようのキス」をしないと発情する呪いにかけられた騎士団長を助けたい私
 すでに横になっているラウルが「おいで」と毛布を広げた。それぞれ寝具が用意されているというのに、ラウルはリネットと一緒に寝る気満々である。
「いえ、私はまだ寝ませんよ。もう少し調べたいことがあって……」
 キサレータ帝国から持ってきたぼろぼろの肩掛け鞄は新しいものに買い換えた。皮でできたしっかりとした大きな鞄だ。そこから持参した資料も取り出し、先ほど資料室で書き留めた帳面も広げる。
 するとラウルが起き上がり、リネットの手から資料も帳面も奪って、丁寧に鞄の中に戻した。
「慣れない旅で疲れたところ、すぐに調査に入ったわけだ。それに、ここには当分いる手はずになっている。何も今日、焦ってすべてを終わらせようとしなくていい。それよりも休みなさい」
 ラウルが後ろからそっと抱きしめてきた。
「でも、いつまでここにいるかわからないんですよね。最長で五日。その間に、ラウルさんの呪いを……って、あっ……ちょっ……どこを触ってるんですか!」
 ネグリジェの合わせ目からラウルの手は侵入してきて、いつの間にか胸を両手で包み込んでいる。
「あっ……んっ……や、やめて……」
 毎日のようにラウルの愛撫を受けていたリネットの身体は、敏感に反応し始めている。
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