【完結】毎日「おはようのキス」をしないと発情する呪いにかけられた騎士団長を助けたい私
3.
それはリネットにとっても願ってもない話だ。
「はい。私のほうからもぜひともお願いしたいくらいです。セーナス王国に来ようと思ったのも、魔法が使える者を魔法師として国が管理しているという話を聞きまして……」
「帝国はそうじゃないんだね?」
ブリタの言葉に「はい」とリネットは頷く。深緑の髪が、窓から差し込む柔らかな光に照らされ、さらりと揺れる。
「恐らくですが、帝国内に魔力を持つ人間はほとんどいないようです。もしくは持っていても隠しているのではないでしょうか。だって、皇帝がアレですから。だけど、スサ小国は人口のわりには魔力を持っている人間が多いのです。王族であれば、確実に魔力を備えています。それで……私が十四歳のときに皇帝がスサにやってきました」
属国で力のないスサ小国は、帝国の命令に従うしかない。魔力のある人間を帝国に寄越せと言われたら、断れない。
「帝国って、略奪婚をしても『アレがもげる』呪いが発動するんです。ある意味、性交についてはしっかりしている国だと思います。だから当時、末っ子で結婚もしていない、婚約もしていない私が、皇帝のお眼鏡にかなったわけです」
末娘だったリネットは、両親に甘やかされ、手元に置かれていた。その愛情が裏目に出たのだ。よりによって皇帝に目をつけられるなんて、誰が予想できただろうか。
「はい。私のほうからもぜひともお願いしたいくらいです。セーナス王国に来ようと思ったのも、魔法が使える者を魔法師として国が管理しているという話を聞きまして……」
「帝国はそうじゃないんだね?」
ブリタの言葉に「はい」とリネットは頷く。深緑の髪が、窓から差し込む柔らかな光に照らされ、さらりと揺れる。
「恐らくですが、帝国内に魔力を持つ人間はほとんどいないようです。もしくは持っていても隠しているのではないでしょうか。だって、皇帝がアレですから。だけど、スサ小国は人口のわりには魔力を持っている人間が多いのです。王族であれば、確実に魔力を備えています。それで……私が十四歳のときに皇帝がスサにやってきました」
属国で力のないスサ小国は、帝国の命令に従うしかない。魔力のある人間を帝国に寄越せと言われたら、断れない。
「帝国って、略奪婚をしても『アレがもげる』呪いが発動するんです。ある意味、性交についてはしっかりしている国だと思います。だから当時、末っ子で結婚もしていない、婚約もしていない私が、皇帝のお眼鏡にかなったわけです」
末娘だったリネットは、両親に甘やかされ、手元に置かれていた。その愛情が裏目に出たのだ。よりによって皇帝に目をつけられるなんて、誰が予想できただろうか。