【完結】毎日「おはようのキス」をしないと発情する呪いにかけられた騎士団長を助けたい私
 あの事件以降、スサ小国では王族の血を引く者は十歳までに婚約者を決めるしきたりができたと聞く。
「そこから四年とちょっと、皇帝の側妃という立場にありましたが、基本的には魔法具を作っていました」
 そこでエドガーが口を挟む。
「帝国はさ、魔力を持つ人間が欲しいって思ってたんでしょ? まして、魔法具まで作れるんだったら、普通なら手放さないんじゃないの? なんで、ぽいって捨てられて、あんなところで行き倒れていたのさ」
「それは……」
 リネットが成人を迎えてからアルヴィスに受けた仕打ちを語ると、エドガーは口をあんぐりと開けた様子で固まった。ブリタに至っては、目頭を押さえ、静かに息を吐いた。
「とにかく、今、あんたはここで生きている。それが一番大事なことだ」
 先ほどと同じような言葉だが、それはリネットにとっても力強いもの。そしてブリタの声は優しい。
「はい。私を助けてくださったエドガー様には、感謝してもしきれません」
 慣れない『様』付けで呼ばれたエドガーは顔を赤らめ手を振った。
「僕、そういう柄じゃないから、やめてくれない?」
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