【完結】毎日「おはようのキス」をしないと発情する呪いにかけられた騎士団長を助けたい私
(裏切り者め)
心の中で叫んでみても、もちろんイアンへ届くわけがない。
「久しいな」
穏やかな声色で話しかけられ、ラウルも腹をくくった。
「ご無沙汰しております」
「楽にしなさい」
国王はテーブルを挟んで向かい側のソファに座るようにと言った。
「はぁ……」
気の抜けた返事をするラウルだが、なぜ今さら国王が呼び出したのかと、それだけが疑問だった。いくら結婚の話が出ていようが、彼には関係ないだろうと思っている。
侍従がやってきて、二人の前にお茶やお菓子を並べれば部屋を出ていく。だからといって、国王とラウルの二人きりではない。部屋のすみには第一騎士団が控えているから、ラウルが剣を抜けばすぐに彼らが取り押さえるだろう。
国王はそろそろ五十歳になると記憶している。ラウルより二十歳も年上なのだ。
心の中で叫んでみても、もちろんイアンへ届くわけがない。
「久しいな」
穏やかな声色で話しかけられ、ラウルも腹をくくった。
「ご無沙汰しております」
「楽にしなさい」
国王はテーブルを挟んで向かい側のソファに座るようにと言った。
「はぁ……」
気の抜けた返事をするラウルだが、なぜ今さら国王が呼び出したのかと、それだけが疑問だった。いくら結婚の話が出ていようが、彼には関係ないだろうと思っている。
侍従がやってきて、二人の前にお茶やお菓子を並べれば部屋を出ていく。だからといって、国王とラウルの二人きりではない。部屋のすみには第一騎士団が控えているから、ラウルが剣を抜けばすぐに彼らが取り押さえるだろう。
国王はそろそろ五十歳になると記憶している。ラウルより二十歳も年上なのだ。