【完結】毎日「おはようのキス」をしないと発情する呪いにかけられた騎士団長を助けたい私
「気に食わないのは帝国だ。そなたの想い人は帝国から逃げてきたのだろう?」
「あなたは、彼女をどこまで知っているんですか!」
「ふん。私はこの国の王だ。自国民の……まして魔法師であれば、すべてを知っている。スサのこともな」
 間違いなく国王はリネットのことを知っている。彼女の境遇までも。
「ラウルよ。この国の魔法師は、今は自国民しか認めていない。他国の者をこの国の魔法師とすることはできない。その理由はわかるか?」
「いえ」
 ラウルは即答した。
「少しは考える振りぐらいしなさい。まぁ、いい。この国の魔法師を他国に引き抜かれないようにするためだ。特に、帝国にな」
 なるほど、と心の中で納得する。国王が言うように、例えばキサレータ帝国の者がセーナス王国の魔法師になったとしても、そのまま帝国に帰られたら、魔法師の知識や技術をごっそりと持っていかれる。それを防ぐための制度だと、国王は言っているのだ。
「彼女をスサの王女に戻すなら、そなたとの結婚を認めよう」
 だがリネットの話を聞いているかぎりでは、彼女はスサ小国に戻りたいとは思っていないようだ。むしろ、この国で魔法師として骨を埋める覚悟でいる。
< 288 / 339 >

この作品をシェア

pagetop