【完結】毎日「おはようのキス」をしないと発情する呪いにかけられた騎士団長を助けたい私
 そこでラウルは、リネットが置かれている立場を端的に説明した。
「でも、私。スサには戻るつもりはありませんよ?」
「それは……俺も君から話を聞いたから、その気持ちは知っているつもりだ」
「では、私とラウルさんは婚約できない?」
 いや、とラウルは首を横に振る。
「きちんと手続きを踏めば問題ない。だからそのためにも、俺の呪いが解けたらと、そう思っていたんだ」
「今、婚約しないほうがいいということですか?」
「逆に聞きたいのだが……。俺は、いずれ君にきちんと結婚を申し込む。だが今、君が俺にそう言い出したことに理由はあるのか?」
 彼の熱い視線が注がれる。
「それは……」
 リネットは、キサレータ帝国全体にかけられた不思議な呪いの話をし始めた。さらに、傲慢なアルヴィスについて。彼がどうやって側妃を手に入れているのか。
「つまり、既婚者、もしくは婚約していれば、皇帝は手が出せないということか? その……アレがもげるから……」
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