【完結】毎日「おはようのキス」をしないと発情する呪いにかけられた騎士団長を助けたい私
「はい。そうすれば、皇帝のアレは使えなくなるみたいです。もげると言われていますけれど、具体的にどうなるかはわかりません。だから、他の側妃も私と似たような立場の人ばかりだったと記憶しています」
 交流はなかったが、そういった話は人から人を伝って耳に届くもの。
「セーナス王国は帝国から独立したため、皇帝も無理やり側妃を連れていくようなことはしないと思うのですが……」
 それでも彼は魔力ある人間を求めているはずだ。
 リネットの居場所を突き止められたら、キサレータ帝国に連れ戻される可能性も十分に考えられる。だから、あえてスサ小国に戻らなかった。ぽいっと捨てておきながらも、惜しいと思えばまた手に入れる。
「いや、相手は帝国だからな。わかった、とりあえず皇帝がやってくるまでに、俺と君の関係を今よりも少しだけ進めておこう。ただ、今からでは婚約式は間に合わないかもしれないから……仮婚約という状態であれば……」
「はい。私とラウルさんがラブラブで、皇帝の入る隙間がないくらいの関係で、それなりに強制力のあるものであれば」
「さっさと結婚してしまえばいいのかもしれないが……。だが、俺にもけじめというものがあってだな。まぁ、そういうことだ」
 そしてラウルは、グラスになみなみと葡萄酒を注ぎ、一気にあおった。
「とにかく、君の置かれている状況は理解した。できるだけ皇帝に会わせないように、ブリタ殿やエドガー殿にも協力を得ようと思う」
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