【完結】毎日「おはようのキス」をしないと発情する呪いにかけられた騎士団長を助けたい私
「あぁ。愛しの団長さんが忙しいからか」
 するとリネットはムッとする。
「あ、また不細工になった」
 エドガーはケラケラと笑うものの、リネットとしては面白くない。その原因がエドガーに茶化されたからなのか、ラウルとの間に距離ができたからなのかはよくわからない。
「明日だっけ? 帝国が来るの。ほんと、いい迷惑だよ」
 エドガーが椅子に限界まで寄りかかり、天井を仰ぐようにして言った。
「そうよねぇ? 何も、わざわざこんなことで来なくてもいいのに」
「噂では、魔法師との交流も希望しているらしい」
 男性魔法師が真面目な顔で言えば、リネットの顔も強張る。
「え、そうなの?」
 他の二人が話を続けるなか、エドガーだけはリネットの様子を確認するかのように声をかける。
「リネット、大丈夫か?」
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