【完結】毎日「おはようのキス」をしないと発情する呪いにかけられた騎士団長を助けたい私
「はい。でも私は捨てられたので、側妃は四人となりました。皇帝の子を最初に授かった人が正妃になれると言われていたのですが……。残念ながら、子を授かった人はおりません」
「ん? もしかして皇帝って不能?」
 なぜかエドガーは勝ち誇ったような笑みを浮かべる。
「いいぇ。ヤることはヤるんですけど。恐らく、子種のほうに問題が……」
「なんだ、種なしか」
 エドガーのつぶやきに、リネットは曖昧に微笑み、肯定も否定もしない。
「他の四人も魔力持ちなのかい?」
 ブリタの問いにリネットは「はい」と答える。
「スサ以外にもまだ属国はありますから。そちらで見つけた魔力を持つ女性だと思います。側妃同士、交流はないのです。皇帝が、私たちが手を組むことを恐れていましたから」
 だからいつも一人だった。心の中にはあのときの寂しさがじんわりと広がるかのよう。
「ですが、他の四人は私よりは魔力が弱いものと思われます。魔法具を作らされていたのは私だけですから」
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