【完結】毎日「おはようのキス」をしないと発情する呪いにかけられた騎士団長を助けたい私
「それで、あんたの作る魔法具ってどんなやつなんだい?」
 ブリタが次から次へと話を促す。
「生命力を魔力に転換することで、魔力のない人間でも魔法――すなわち四元素を操れるものです。皇帝は、火を好んでよく使っていましたが」
 ブリタは苦虫をかみつぶしたように、眉間に深くしわを刻んだ。エドガーも、口元まで運んだ紅茶のカップを、唇にくっつけたまま静止する。
「あの……どうかされましたか?」
 リネットはおろおろとブリタとエドガーの顔を交互に見やる。
「いや……。やっぱりあんたをその辺に放り投げておくのは危険だというのがわかった。この国の魔法師になったら、私がきっちり面倒をみてあげるからね」
「はい。ありがとうございます」
「よかったね、エドガー。魔法師になって五年目。エドガーにとっては初めての後輩魔法師だ」
「そうなんですね、エドガー様は先輩魔法師。エドガー先輩とお呼びしてもよろしいですか?」
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