【完結】毎日「おはようのキス」をしないと発情する呪いにかけられた騎士団長を助けたい私
 ズキズキと頭が痛むのは、気を失う前に嗅いだ薬草のせいだろうか。あれは、睡眠を促す薬草のにおいだった。
「あっ……」
 見慣れぬ天井。魔法院の治療室で目覚めたときもこんな感じだったが、そのときの天井ともまた違う。
「目が覚めたか。このまま目を覚まさないかと思ったが」
 その声にリネットはぶるりと身体を震わせた。
「元気そうだな、リネット。まさか、この国にいたとは思ってもいなかった」
 リネットを見下ろすアルヴィスは、ニヤリと不気味に笑う。
「どうして……?」
 薬の影響か、ベッドに投げ出された手足は鉛のように重く、動かすことができない。
「おまえは私の妃だろう?」
 ギシリとベッドを軋ませたアルヴィスは、リネットの顔がよく見える位置に腰を下ろす。
「悪かった」
 アルヴィスの手が伸びてきて、リネットの顔にかかった髪をやさしく払いのけた。それだけでも、ざわっと肌が粟立つ。
「一年ぶり……それ以上か? 美しくなったな」
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