【完結】毎日「おはようのキス」をしないと発情する呪いにかけられた騎士団長を助けたい私
 二人の間にふわふわと浮いている光の玉は、そのままラウルの下腹部に吸い込まれていく。
「あっ……」
 リネットが声をあげる。
「あのぅ……多分ですが……ラウルさんの呪いが解けたかと……。あれ? なんで? やらなくてもいいってこと?」
 これはリネットも予想外だった。てっきり、二人の身体を結びつけるための呪いだと思っていたのに。どちらかといえば、心を結びつけるための呪いだったのか。
「もしかして、解呪方法は求婚ってこと? でも、私、あのときラウルさんに……でも、あれは皇帝から逃れるためだったから、無効だった……? もう少し調べないと……」 ぶつぶつと独り言を口にするリネットを、ラウルはもう一度抱き寄せる。
「あれか……呪いが解けたら、これから毎日、『おはようのキス』をする必要はなくなるのか……」
 ラウルのその声がどこか残念そうにも聞こえた。
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