【完結】毎日「おはようのキス」をしないと発情する呪いにかけられた騎士団長を助けたい私
「リネットが素直だ……」
 彼の膝の上にぽふっとおさまったリネットだが、今日という日を迎えるためのここ一ヶ月は、目まぐるしい日々を送っていた。
 それはラウルも同じで、毎日の「おはようのキス」が不要になったことから、キサレータ地区に足を運ぶことも多かった。そうなればリネットは一人で朝を迎えるわけで、だからといって寝坊するわけでもなかった。
 ラウルがいなくても、毎朝同じ時間に起き、ヒースと彼女が猫に餌やりしている場所へと足を運ぶ。むしろ、その時間にリネットが朝の散歩をしていたかを、ラウルがヒースに確認するものだから誤魔化しようがないのだ。
 そこでラウルがどれだけ心配性でウザくて過保護なのかと、愚痴なのか惚気なのかわからない話をする。
 それはリネットがラウルに甘えたいからなのかもしれない。そうやって寂しい気持ちを紛らわせていた。
 今までのことをぼんやりと思い出していたリネットは、ラウルにぎゅっとしがみつく。
「どうした?」
「喉が渇いてます」
 だけど恥ずかしくてラウルの顔が見られない。ガウンの下のネグリジェは、キサレータ帝国で着ていたような、肌が透けるものだ。あのときはなんとも思わなかったのに、今は恥ずかしいという気持ちがある。
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