【完結】毎日「おはようのキス」をしないと発情する呪いにかけられた騎士団長を助けたい私
 リネットは、暴れ馬をなだめるように、どうどうと両手を上下させた。
 それでラウルも落ち着きを取り戻したのか「ところで」と話を切り出す。
「俺にかけられているのが『新しい命を授かったので萎える呪い』なんだよな? それで新しい命が生まれるまでは呪いが解けないと……?」
「はい。間違いないと思います。まさか、こんな早く効果が出るとは、私も思っていませんでしたが……」
 新しい命を授かって、どの時点で呪いが発動するのか、リネットにはわからなかった。
 だが、先ほど医師の診察を受け、今日の夜にでもラウルに報告しようと思っていたとき、彼がやってきたのだ。
「つまり、新しい命を授かったということなのか?」
「ラウルさんの呪いが発動したのであれば、そういうことかと……?」
 そこに慌ただしくやってきたのはヒースである。彼は新しい彼女とも終わってしまい、ラウルを追いかけるようにしてキサレータ地区にやってきた。そして今も、ラウルの腹心として働いているのだ。ちなみに猫御殿もヒースの管轄である。
「大公殿下。やはりここにいましたか! まだ仕事は終わっておりません。このままでは今日は帰すことができませんよ?」
「いや、ちょっと待てヒース。今、大事な――」
 ラウルはヒースに引きずられて、出ていった。
 リネットは、ふぅっと息を吐いてから、再びこの地区の呪いについてをまとめ始める。
 後日、ラウルがリネットに対して今まで以上にウザく過保護になったのは言うまでもない。

【完】
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