【完結】毎日「おはようのキス」をしないと発情する呪いにかけられた騎士団長を助けたい私
 エドガーの黒い髪は夜空に星をちりばめたように光を反射させ、切れ長の黒い瞳は見る者を引き込んでしまう。濃い色の髪と瞳は、典型的な魔力持ちの特徴であり、彼の美貌をさらに高めていた。
「けなされているのか褒められているのかよくわからないけど、あそこにいるのが患者だから」
 エドガーが顎でしゃくった先には、椅子に括りつけられている男性がいた。両手は背中で縄に縛られたうえに両足は椅子の脚に固定され、さらに猿ぐつわまでかまされている。銀糸のような繊細な髪は汗で額にぴったりと張り付き、宝石のような青い目は、まるで腹を空かせた肉食獣が獲物を狙うようにぎらぎらと輝く。
 騎士の制服を身にまとっているが、その威厳ある姿もどこか野性的だった。胸元の徽章には第七騎士団の紋章が輝き、彼の地位を物語っている。
「詳しくはこの男から聞いて」
 エドガーが面倒くさそうに顎で示したのは、別の男性。
「あの……」
 そうリネットに声をかけてきたのは、騎士服に身を包む彼だ。背筋を伸ばし、緊張した面持ちで立っていた。おそらくこの患者の付き添いだろう。
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