【完結】毎日「おはようのキス」をしないと発情する呪いにかけられた騎士団長を助けたい私
「こら。二度寝をするな。起きろ」
 勢いよく毛布が剥ぎ取られた。
「え? ええ? ちょっと、何をするんですか! おはようのキスはしたじゃないですか。あとは今日一日、団長さんは自由に過ごしてください。それでは、また明日。おやすみなさい」
 ラウルから毛布を奪い返そうとするが、力では彼に敵うわけもない。
「君の生活は不摂生だ」
「へ?」
「昨日、俺は君の部屋に行った。だが、何度、俺が扉を叩いても君は目を覚まさない。仕方なく魔法師長にお願いしたが……。本来であれば、起きていておかしくない時間だ。あの時間は人間の活動時間に入っている。その時間に目が覚めないのは、君の生活が乱れている証拠!」
「はぁ……」
 リネットは、好きな時間に寝て好きな時間に起きる。だから太陽が沈んでから目を覚ますこともあれば、太陽が真上にあっても寝るときもある。そして食事の時間も決まっていない。お腹が空いたら食べるし、空かないときは食べない。
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