【完結】毎日「おはようのキス」をしないと発情する呪いにかけられた騎士団長を助けたい私
「考え事?」
「はい。団長さんと師長は似ているなって。なんか、お母さんみたい……ふふっ」
 お母さんで思い出した。こうやって手を繋いだ記憶はあるのは、スサ小国にいたときだ。母と手を繋ぎ、庭の散歩をしたのはいつだったろうか。
「お母さん……だと? まぁ、よく言われる。部下たちからも母親みたいだと」
「お父さんじゃなくて、お母さんなんですね」
 だがその部下の気持ちはよくわかる。世話焼きなところが、リネットの母親によく似ていた。もちろん、顔はまったく似ていないというのに。
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