【完結】毎日「おはようのキス」をしないと発情する呪いにかけられた騎士団長を助けたい私
「リネット。そういうことは他人に言うものではない!」
 慌てたラウルが声を荒らげる。すると猫たちが「ミャア」と鳴いて、どこかに逃げていく。
「あ~。団長さんのせいで、猫ちゃんが逃げたじゃないですか」
 リネットは頬を膨らませ、立ち上がる。
「ヒースさん。また来てもいいですか?」
「どうぞどうぞ。団長の愚痴を言いたくなったら、いつでも来てください。私は猫の餌やり当番なので」
 つまり猫の餌の時間には、ヒースがここにいるということだ。
「リネット。そろそろ戻るぞ」
 その声はどこかつっけんどんな感じを受けた。それでも手を差し出してきたので、帰りも手を繋ぐらしい。リネットはその手を取った。
「リネットさん。団長のことを頼みますね」
 ヒースのその言葉に、リネットは笑顔で頷いた。
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