【完結】毎日「おはようのキス」をしないと発情する呪いにかけられた騎士団長を助けたい私
『リネット。キスをするぞ』
 昨日は彼女に主導を握られたが、今日はラウルが取らねばならないだろう。
『ふぁい……』
 寝ぼけながらも返事をしたので、このキスは合意のうえ。
 そう自身に言い聞かせて、身をかがめて彼女を抱き寄せたラウルは唇を寄せた。
 少しかさついていたが、ふっくらとした唇は甘い。それに「濃厚なキスをぶちゅっと」と言っていたのはリネットだ。
 その濃厚なキスの経験のないラウルはどうしたものかと悩んだが、彼女の甘い香りに誘われて、そのまま唇を舐め、食んだ。
『んっ……んんっ!』
 息苦しいのか、リネットが暴れたところでやめた。
『おはよう、リネット』
『おはよう、ございましゅ……』
 目を閉じたままのリネットから挨拶が返ってきたが、起きる気配はなさそうだ。
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