【完結】毎日「おはようのキス」をしないと発情する呪いにかけられた騎士団長を助けたい私
 ラウルが軽く眉を寄せた。
「団長さんは、私と恋人同士と思われてもいいんですか?」
「まぁ、ヒースが言っていたように、俺も独身、婚約者、恋人なし。絶賛彼女募集中だ」
 今度は逆にリネットが眉間にしわを刻む。
「彼女募集中なんですか? だって団長さんって、見目もそこそこいいですよね。エドガー先輩も褒めてましたし。自分と同じくらい顔がいいって」
「それは、褒めているのか?」とラウルが首をひねったようだが、リネットはその言葉を無視する。
「それにハリー伯爵家の血筋の方とお見受けしますが」
 リネットがそれを知っているのが意外だとでも言うかのように、ラウルは小さく息を吐く。
「そうだな。君が言うように、ハリー伯爵は血のつながらない義父だ」
「なるほど。でしたら、余計に団長さんの相手が私のような人間ではダメでしょう? ご家族が許さないのでは?」
「それは問題ない。俺はただの名ばかりの伯爵子息だ。伯爵家を継ぐわけでもないし、俺に問題があれば、伯爵はすぐに俺を切る」
「左様ですか」
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