【完結】毎日「おはようのキス」をしないと発情する呪いにかけられた騎士団長を助けたい私
 本棚ドンのまま、ラウルはびくともしない。つまりリネットとしては逃げ場がない。
「つまり、今までのことをひっくるめて、団長さんはもてますよね?」
「む?」
 もしかして触れてはいけない内容に触れてしまったのかもしれない。
「女性から言い寄られたりしませんか? もしくは、団長さんが『付き合って』と言ったら、『はい、よろこんで』みたいな感じで」
「自慢じゃないが、いい感じになった女性は一人二人じゃない」
「ですよね?」
「だが、正式に恋人関係になる前に振られる」
 今までの話の流れからしても、ラウルが振られる要素がまったくわからない。
 顔がいい、身分もそれなりにしっかりしている。伯爵家は継がないかもしれないが、騎士団長だ。任期を全うすれば、叙爵の可能性だってあるだろう。
「振られるんですか? 団長さんが?」
「あぁ、どうやら俺はウザいらしい」
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