幼なじみの、隠しごと。
「っ、唯月!」

「か、叶……?」


叶は私の手を掴んでいる男の人の手首を握って、私の腕と離してくれる。

は、離れた……よかったっ。

少しほっとしていると、叶が男の人を睨みながら低い声で言う。


「……何してたの?」

「な、なんだよお前……! お、俺はただ家にあるグッズを見せようとっ」

「……で? 唯月は嫌がってたよね? それがわからないほど馬鹿なの?」


そう叶に言われて、男の人はハッとしたように私を見る。

私の視界は少しぼやけていて、涙が滲んでいる。

腕も少し跡がついていて、すぐに治るか心配になってしまう。

そんな私の状況を見て、男の人はようやく失敗に気がついたらしい。


「あっ、そ、そんなつもりじゃ……!」

「なら、謝ってさっさとどっか行け」

「っ、す、すみませんでしたっ」


男の人は、そう言ってどこかに走り去っていく。

あっ、握手は……いいのかな……?

そう考えながらも、男の人がいなくなったことにほっとする。

そんな私に、叶は優しく、でも少し怒ったように言ってきた。
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