天敵スズメバチ王と政略結婚しましたが、食べられそうなのは私の心です 〜溺れるのは蜜か毒か〜
「誰もあなたを傷つけませんよ。
我らは仲間のために毒をふるう民。
王の妃も、あなたの国も――すでに我らの一部です」
その言葉に、カミリアは少しだけ息をゆるめた。
そして料理が運ばれる。
クモの子の肉団子。
炙った火蜂の脚。
蜜漬け果実の燻製。
そして、フロライアからの献上品――
ミツバチ特製、黄金の花粉団子。
「蜜パン」とも呼ばれる甘味料理。
「なんだこれは……」
「甘い匂いだ」
「これが……ミツバチのメシ?」
怪訝な声があがる。
鼻をひくつかせ、顔をしかめる者もいた。
すると。
「……うまいな」